1 | 整理 | 2 | 整頓 | 3 | 清掃 | 4 | 清潔 | 5 | しつけ |
”必要なモノ”と”要らないモノ”を区別し、要らないモノを排除する活動 | 必要なときに”必要なモノ”を必要な分だけ取り出せるようにする活動 | 整理・整頓された職場を徹底的にキレイにする活動 | 整理・整頓・清掃された状態を常に保つ活動 | 整理・整頓・清掃するための“ルール”を作り、守らせる活動 |
1.整理
「整理」するにはどうすべきか
”必要なモノ”と”要らないモノ”を分ける基準が必要。まずはそれぞれの職場にとって”必要なモノ”の基準を正しく決めることが重要。管理者はこの基準を定め職場内に開示して”見える化”しましょう。今使うモノを”必要なモノ”として残し、壊れて使えないモノは”要らないモノ”なので捨てること(修理可能なものは、基準に従って整理する)。今は使うことがないモノも”要らないモノ”になるので、排除する。捨てないまでも場所を決めて一時保管とする。その場合は必ず保管期間を決めましょう!期間が過ぎたら思いきって捨ててください。捨てることをもし忘れていたら直ぐに処分すること。これを習慣化することが重要です。“後で捨てるから…”とか”もしかしたら後で使うかも…”という考えでは正しい整理ではありません。
2.整頓
「整頓」とはどのような状態でどうすべきか
“必要なときに、必要なモノを、いつも決まった場所で、決まった量だけ取り出せる
「しくみ」を作る“こと。ここで大切なのは「在庫は量を決め最小限に!」、モノを出し入れするときは “先入れ先出し”とすること。これらを常に心掛けましょう!まずはこの“しくみ”を定めることが重要。管理者はこの“しくみ”を職場内に開示して”見える化”しましょう。特に置き場の”見える化”が重要です。誰でも直ぐに置き場が一目でわかる工夫が必要です。
3.清掃
「清掃」とはどのような状態でどうすべきか
整理・整頓された”ムダのない効率的な状態(職場)”で気持ち良く仕事を続けるためには、いつも職場をキレイに保つ活動が不可欠です。キレイを保つことによりモノがいつでも使えることができます。普段使用している机の周辺は就業開始時または終了前を清掃に充てる、共用部分は毎日決まった時間を決めて、社員全員で行う。毎日行うことにすると時間はほんの数分で済むはずです。これなら無理なく続けていくことができます。清掃範囲はすべてのモノ・場所です。人から見えにくい場所も見える場所と同じようにキレイを維持することが必要です。設備(機械類)は使う頻度が高いので、始業点検と終了点検清掃(機械保全)は必須です。関係者一人ひとりが主役です。責任もって行いましょう。特に古い設備ほど念入りに行いましょう。これにより整頓されたモノ、スペースを必要な時にいつでも使うことができます。
4.清潔
「清潔」とはどのような状態でどうすべきか
整理・整頓・清掃されキレイになった職場を維持することは簡単なことではありません。油断するとすぐに元の雑然とした状態に戻ってしまいます。「清潔」とは職場の一人ひとりが、整理・整頓・清掃された気持ち良く仕事を続けられる環境を維持していこうとする気持ちを持ち続けることです。そのためには管理者は自然とそうなるような基準(誰でも目に見えて判断できる基準)を決めて、職場にこれが守れるような表示をすることです(基準を”見える化”する)。管理者を含めた一人ひとりは、この基準を守ることが習慣となるように取り組むことです。管理者はときにはこの基準が守られているかを確認することも必要です。これにより自然と異常が見えてきます(異常が”見える化”される)
5.しつけ
「しつけ」とはなにか。どうすべきか
職場を清潔にするには、職場の一人ひとりが決まった”決まり事”をいつまでも守ることが必要です。これが日常業務の中で習慣化されないと続きません。習慣化するには管理者は職場の一人ひとりに清潔のルールや目的・規律を現地・現物で教え、守らせる取組みが必要です。これが「しつけ」です。このとき管理者自らが率先してルールや規律を守ること、職場の一人ひとりに納得して守らせること これらが大切です。まずは、きちんとした挨拶をすること から始めましょう。特に重要な「しつけ」は、企業の理念や安全に対する考え方が社員全員に根付けられていることです。これができていないと羅針盤を持たないで大海原にでるようなもので、いずれ転覆(倒産)になる可能性があると言えます。
6.5Sの目的
どんな職種の会社でも、人が仕事をするうえで、「ムダ」は必ずあります。整理・整頓ができていない職場では作業のムダが発生(作業バラツキが大きくなる)ため、時間やコストの面で会社に損失を与えることになります。この「ムダ」を低減す取組みが5Sの目的です。言い換えれば”ムダのない職場環境をつくること“と捉えることができます。
7.5Sで大切なこと、その効果
5Sへの取組は、職制上位者からの押しつけではうまくいきません。それぞれの会社の実態に合ったやり方を見つけて行うのが長く続けるコツです。それぞれの会社は作っている製品や提供しているサービスも違いますし、経営理念も違います。同じやり方を強要してもうまくいきません。まずはそのやり方を決めるとこです。うまくいかない場合はやり方を見直すことも必要です。そのうえで、社員全員が上記で述べた5Sの意味や目的を正しく認識し、積極的に実行することです。日々の仕事がやりやすい環境をつくり、結果として安全な職場となり、品質が安定し生産性が向上し、コストも低減となります。つまり、5Sは経営に通じていると言えます。